『ジカタビストの旅』に寄せて

four people riding on camels across the pyramids ジカタビストの旅
Photo by Murat Şahin on Pexels.com

ジカタビストの旅など書くと、いかにも駄洒落のような言葉遊びに見える。

しかし古来から人間の移動に欠かせない道具は履き物であった。

牧畜がなかった時代の移動手段は徒歩しかなかったから、履き物の性能は移動効率に直結する。

時代が下ると移動手段として乗り物が登場する。

牧畜が始まるとおそらく牛、馬、駱駝などに乗って人類は移動するようになった。

馬車のように動物に引かせる乗り物も、動力は動物の筋力である。

陸上の乗り物だけではなく、水上を行く舟の起源も相当に古いであろう。

舟の動力は人力であったり、水流であったり、風力であったりする。

産業革命を経て、人類は初めて化石燃料によって作動する機械を発明する。

自動車はその典型である。

現代においては電力、原子力、あるいは水素エネルギーなどを動力にする乗り物も開発されている。

こうして考えると、履き物と乗り物は移動手段として地続きの関係にあると言える。

ただし履き物には服飾品としての性質もあるので、履き物と乗り物との間には断絶もある。

そして、移動において乗り物の比重が圧倒的に高い現代にあっても、徒歩の必要性がなくなることはない。

地下足袋という履き物を主題とする当ブログが、旅というテーマを扱うことは不自然なことではない。

私は地下足袋を履いて歩き、走り、旅をする。

私はもともと出不精であった。

もともとあまり旅行をしない家庭で育ったからということもあろう。

知らない世界を見てみたいという好奇心は幼いころから持ち続けていたのだが、若い頃は非常に内向的な性格であったので、外の世界に向かっていくということはあまりなかった。

ところが40代も半ばを過ぎると、若い頃の内気はどこへやら、結構あちこちに出かけたりオープンに自分をさらけ出したりするようになった。

経験値や世間知が増えたことに加え、加齢から来る厚顔無恥や良い意味での開き直りも影響しているだろう。

2023年秋のインド旅行を皮切りに、これからは地下足袋を履いてできる限りたくさんの国を訪れたいと思う。

旅での経験をブログに綴り、できれば旅行記として出版することは私の楽しみでもある。

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