シューフィッターに靴を選んでもらい、理学療法士にアーチサポート用のパッドをインソールの下に仕込んでもらった。
その後、自分でもアーチサポート用のシリコンパッドを買って着て、愛用の丸五ジョグ3のインソールの下にシリコンパッドを仕込んでみたところ、ある程度の効果を実感できた。
しかしそこは既製品なので、自分の足にしっくりくるとは言い難い。
それならば既製品ではなく自分用にオーダーメイドされた靴を買ったらどうか?
シューフィッターさんに選んでもらった靴も所詮は既製品である。
整形外科の世界では、不幸にも事故で手足を失った人のために義手や義足という装具がよく用いられる。
関節リウマチや変性疾患などのために膝関節や足が変形してしまった人のために足底板という装具を用いることで、立位や歩行の際の姿勢を適正に矯正することがある。
装具というとたいそうに聞こえるが、一般によく売られているインソールも足底板という装具のひとつである。
それならば私も自分用にオーダーメイドされた足底板を作ってもらうのがベストの選択ではないか?
同僚の整形外科医に尋ねてみると、病名がついていれば保険診療でオーダーメイドの足底版(インソール)を作ることができるとのことであった。
さっそく整形外科の受診予約をとり、期待に胸を躍らせて受診した。
受診すると、さっそく装具メーカーの技術者の方と対面した。
シューフィッターを訪ねた時と同様、まず足型を取っていただいた。
やはり私は踵により体重のかかる後方重心である。
また、中指の中足骨遠位端に強く体重がかかっており、横アーチの潰れた開張足の所見を示していた。
次いで、特殊な樹脂に足をずぶずぶと沈めていき、立体的な足型を取っていただいた。
これがなかなか不思議な、気持ちよい感触の樹脂であった。
「立った時にアーチが半分くらい下がる程度に装具を調整します」
と技師さんに言われた。
私は持参のジョグ3を差し出し、
「これに入れられる装具を作って欲しいんです」
と伝えた。
「こういう足袋シューズを履かれている方は最近多いですね。足袋シューズに入れるインソールを作ったことはないのですが、つま先の部分にカットを入れれば問題なく作れます。」
と言ってもらえた。
足袋型インソールの暫定第1号は私というわけか。悪い気はしない。
お値段は約2万8千円ほどであった。
かなり高額ではあるが、保険診療なので3割負担で済む。これはありがたい。
ただし、ひとりひとそろいしか保険で作れないので、もうひとそろい作りたければ自費診療となる。
ちなみに私の病名はそう、足底腱膜炎である。
そして1週間後。
心待ちにした足袋型インソールが完成した。
少し踵が高いが、さすがにオーダーメイド。横アーチも縦アーチもほぼ完ぺきに支えてくれる。
しかも他の足袋シューズにも転用できるだけでなく、通常の靴にも装着可能である。履き心地が悪くて嫌いだったビジネスシューズにもこのインソールを入れることができた。履いてみると当然履き心地は最高!こういうビジネスシューズは爪先が細いので、足袋型インソールが入るか心配だったが無理なく入れることができた。
もし爪先にカットの入っていないインソールだと、足袋シューズの中に入れることはできないが、足袋型インソールであれば通常の靴に入れることも可能だ。
これは足袋型インソールの大きなメリットである。
このオーダーメイドのインソールを仕込んだジョグ3を履いて、週末にランニングに行くのが楽しみである。
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