日常生活において靴紐をきちんと結んでいる人はあまりいないのではないだろうか。
私はきちんと結んでいない。
緩めに結んでおいて、紐が結ばれた状態のままで靴を着脱する。
なぜかというと面倒くさいからだ。
朝の忙しいときに丁寧に靴紐を結ぶ余裕はない。
だから、意識的に靴紐のない靴を選びたいくらいだ。
最近は足袋シューズを履くことが多い。
丸五さんの『スポーツジョグAIR』を最近はよく履くのだが、これの紐も結んだままの状態で着脱している。
靴を選ぶときに、私は正確なサイズを求める。
多くの人もそうではないだろうか。
なぜなら、小さければそもそも履けないかあるいは足が痛くなるし、大きければ靴の中で足が動いて歩きにくいからだ。
しかし、靴紐を毎回きちんと結ぶ人は少ないと思われる。
現代人は忙しいので、おそらく靴のフィット感よりも着脱の簡便性が優先されるのだろう。
私もそうだ。
しかし、足や全身の健康を大切にするのであれば、靴紐を軽んずるべきではない。
なぜなら、靴紐こそが足と靴の一体性を実現するからである。
ランニングコーチ・スポーツトレーナーのみっちー先生のyoutube動画をよく見させていただいているのだが、みっちー先生の靴紐の動画で靴紐の重要性を勉強させていただいた。
靴のアッパーを足にたるみなくかぶせ、ベロをしっかり伸ばし、紐を適度に締めていき、最後に靴紐を結ぶ。
服を着る時はしわになったり裾が乱れないように気を付けるのに、どうして私たちはこうも足をぞんざいに扱うのだろうか。
スマホにすらカバーを着せてあげるのだから、毎日の移動という大役を務めてくれる足にも、丁寧に靴をまとわせてあげたいものだ。
みっちー先生によると、靴紐を適切に絞めるだけでランニングのタイムも向上するらしい。
そうであるならば日常の歩行においても、きちんと靴紐を締めてあげれば足と靴との一体感が向上し、疲労が軽減するはずである。
人間は感覚の大部分を視覚に依存するし、社会性の極めて強い生き物だから、見た目を重視するのはよくわかる。
髪型、化粧、シャツやジャケットの着こなしなどが、まず目につくものだ。
靴も、ぱっと見で乱れがなければ「この人はきちんとした人だ」と評価されるだろう。
しかしその靴が足にきちんとフィットしているかどうかは、本人すらあまり気にしていないというのが現状のようだ。
植物でいえば、文字通り根が根本であり、根があれば幹も茎も花も再生する。
人間にとっての根(root)は、もちろん足(foot)だ。
地面に接する唯一の器官が足なのである。
あまり視界には入らない足こそが、実は根本的に大切なのかもしれない。
少し面倒だが私もこれからは毎回きちんと靴の紐を締めるようにしよう。
できるだけ、ね。
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